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Pythonの進化を支えるもの

プログラム言語 Python はまもなくリリース以来20年を迎え、現在では世界でもっともよく使われている言語の一つへと成長しました。Python はすばらしいプログラム言語ですが、プログラム言語が広く普及するためには、単に優れた言語であるというだけでは不十分です。アプリケーションの開発言語は、一度選んでしまえばそのアプリケーションの寿命まで付き合わなければなりません。企業などで特定のプログラム言語を主要な開発環境として選択すれば、後になってから変更するのは大きなリスクとなってしまいます。

従って、Python が現在のような地位を獲得しているということは、単に Python が優れたプログラム言語として評価されているというだけではありません。多くの人々から、将来に渡って安心して利用することができるという信頼を得ているということなのです。

しかし、PythonJava のように特定の企業が後ろ盾となって開発されているわけではなく、ボランティアが集まって支えるオープンソースプロジェクトにすぎません。どのようにして数多くのユーザからの厚い信頼を得ているのでしょうか?

Python Software Foundation

Python の開発は、 Python Software Foundation (PSF) という非営利組織が支えています。PSF はPython著作権や商標を管理し、普及・開発を推進するための裏方として非常に大きな役割を果たしているのです。

たとえば Python の一次情報源である Webサイト www.python.org 、開発に必要なメーリングリストや障害管理システム、Python ライブラリのリポジトリである Python Package Index(PyPI) などの運営は全て PSF が中心となって行っています。

また、Pythonのプロモートのために毎年 Python community conference(PyCon) を開催し、多くの開発者やユーザの交流の場を提供するのも PSF の役目ですし、Pythonの開発を推進するために、申し出のあった個人開発者や外部のプロジェクトに資金を提供したり、PyCon 以外のユーザイベントに資金や人を提供したりもしています。

PSF の活動はスポンサー企業や個人からの寄付金で支えられており、日本からでもクレジットカードや PayPal を利用して簡単に寄付することができます。Python を利用しているのであれば、是非寄付することを考えてみましょう。