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技術系の翻訳をするときに気をつけてること

翻訳するのではなく、原文を尊重しつつも自分の文章を書く

文学作品を訳しているわけではないので、原文の空気とか雰囲気とかはまあどうでもよい。正確で読みやすいのが第一。センテンスをひとつずつ訳していくのではなく、段落単位ぐらいでしっかりと内容を把握して、「自分が原著者ならどう書くか?」と考えながら自分なりの日本語を書くようにしている。逐語訳は甘え。
段落内ではセンテンスの順番は自由にばらしたり入れ替えたりするが、段落の順番まで変えてしまうと原著者の意図を無視しすぎる気がするし、原文と翻訳の対応が難しくなるので段落の構成はいじらない。

書いてあることと、書いてないことをしっかり把握してから日本語に落とす。

読みやすくしようとして言い回しや文章の順番をいじると、うっかり原文で明示していないことを書いてしまったりする。たとえば原文が「正常終了しなかった場合にはTrueを返さない」とかややこしい言い回しになっていると「正常終了した場合はTrueを返す」としたくなるが、技術文書としては間違い。原文が明示している範囲を飛び越えないように注意する。